[ArcMap オプション] ダイアログ ボックスで、ArcMap とマップ ドキュメントのさまざまな設定を行うことができます。 オプションをいったん設定すると、マップ ドキュメントのプロパティとして保存され、後続のセッションで開かれるたびに、またはオプションが変更されるまで使用されます。
[ArcMap オプション] ダイアログ ボックスを開くには、メイン メニューの [カスタマイズ] > [ArcMap オプション] の順にクリックします。
このダイアログ ボックスには複数のタブがあります。各タブは以下の特定のオプションに対応しており、このオプションの設定と使用が可能です。
- [一般] - アプリケーションのオプションを有効にします。
- [データ ビュー] - マップのデータ フレームのハードウェア アクセラレーションと座標の表示を有効にします。また、*.mxd のデフォルトのラベル エンジン、フォント名、フォント サイズを設定します。
- [レイアウト ビュー] - ページ単位のガイドとグリッドのオプションや、さまざまなマップ エレメントをこれらのページにスナップするためのオプションを有効にします。
- [メタデータ] - メタデータ スタイルと更新ルールを設定します。
- [テーブル] - テーブル表示のオプション、さまざまなテーブルの状態を示すプロンプトと警告、および属性結合プロパティを有効にします。
- [ラスター] - マルチバンド ディスプレイのバンドの組み合わせのプロパティと、ピラミッド生成のルールを有効にします。
- [CAD] - DGN ファイルを認識するためのオプションを有効にします。
- [共有] - パッケージ化と公開のためのオプションを有効にします。
- [キャッシュの表示] - キャッシュの位置を指定し、既存のキャッシュを消去し、キャッシュのサイズを表示するためのプロパティを有効にします。
一般オプション
ここでは、アプリケーションのオプションを設定できます。ここには ArcMap の起動時動作の定義が含まれています。 ここで ArcMap を設定して、以下の動作が自動で実行されるようにします。
- ArcMap スプラッシュ スクリーンをオフにします。
- ArcMap の [はじめに] ダイアログ ボックスを開きます。
- [データの追加] ダイアログ ボックスを開きます。
- 最後に保存したマップ ドキュメントを開きます。
このタブで使用できる他のオプションには以下があります。
- 新しく追加されたレイヤーのデフォルトの表示設定を変更します。
- [データの追加] を設定して、現在のマップ ドキュメントのホーム フォルダーではなく最後にアクセスした場所を使用できるようにします。
- 使用可能な場合、ウィザードを表示します。
- 新しいマップ ドキュメントの参照データの相対パスを使用します。
相対パスを使用すれば、ドキュメント内のレイヤーを修復する必要がまったくなくなるとは限りません。相対パスを使用しても、ドキュメントまたはデータ ソースが互いとの関連から見て別の場所に移動した場合は、ドキュメントがデータ ソースを見つけられなくなる可能性があります (たとえば、フォルダー階層の別の部分に移動した、または別のディスクに移動した)。
現在のドキュメントのこの設定を確認または変更するには、[ファイル] > [マップ ドキュメント プロパティ] の順にクリックして、[マップ ドキュメント プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。
- フィーチャの個別属性を表示する場合のデフォルトのレイヤーを設定します。
- ハイパーリンクを含むフィーチャのハイライト表示色を選択します。
- グラフィックス作成後、描画ツールをアクティブなままにします。このオプションにより、複数のグラフィックスが容易に描画できます。ArcMap のデフォルトの動作により、[エレメントの選択] ツールが自動的に起動し、グラフィックスがすぐに操作可能になります。
- データ フレームとレイアウトをナビゲートする場合のマウス ホイールと [連続ズーム/画面移動] ツールの動作を定義します。
データ ビュー オプション
このタブでは、以下のようなデータ ビューでのマップの操作方法を設定できます。
- リモート デスクトップ セッションを介して接続している場合に、ナビゲーション時の連続表示を有効にします。
連続表示がオンの場合、画面移動やズームなどのナビゲーション操作中、ベースマップ レイヤーの表示が継続的に更新されます。連続表示がオフの場合、ベースマップの表示が更新されるのはナビゲーションの完了後のみです。リモート デスクトップを介して接続していない場合、このオプションはベースマップ レイヤーの表示更新に影響を与えません。低帯域幅接続を介してリモート デスクトップ セッションを実行する場合は、この設定を使用しないでください。この設定はすべての *.mxd に適用されます。
- ハードウェア アクセラレーションを有効にします。
ハードウェア アクセラレーションは、サポート対象レイヤー (ベースマップ レイヤー、ナビゲーション時に [画像解析] ウィンドウでアクセラレートされたラスター レイヤーなど) の更新レートを向上させます。このチェックボックスがオフの場合、この ArcMap セッションではハードウェア アクセラレーションを使用できません。ArcMap がリモート デスクトップ セッションで実行されている、ArcMap を実行しているコンピューターのグラフィックス ハードウェア ドライバーが最新バージョンでないか破損している、コンピューターのグラフィックス ハードウェアが必要な機能をサポートしていないなどの原因が考えられます。この設定はすべての *.mxd に適用されます。
- マップのデータ フレームの座標表示をカスタマイズします。
これは、ArcMap ウィンドウ下部のステータス バーに表示される XY 座標値と、[図形描画] ツールバーのツールを使用してグラフィックスを描画したときにステータス バーに表示されるフィードバックに表示される XY 座標値を指します。オプションには、桁区切り記号や 0 での桁埋めを使用した、小数点以下桁数の設定が含まれます。この設定は現在のマップ ドキュメント (*.mxd ファイル) に格納され、このマップにのみ適用されます。
デフォルトでは、XY 座標値は、データ フレームの表示単位の ArcMap ウィンドウ右下に表示されます。表示単位は、[データ フレーム プロパティ] ダイアログ ボックス ([表示] > [データ フレーム プロパティ]) の [一般] タブで設定します。異なる単位を使用して座標を表示することもできます。[図形描画] ツールバーのツールを使用してグラフィックスを描画した場合と [エディター] ツールバーを使用して編集セッションでフィーチャを作成または編集した場合、その寸法表示の単位にはこのオプションは適用されません。グラフィックスの長さ、面積、周長は常に表示単位で表されます。フィーチャを編集すると、その寸法は編集するデータのマップ単位で表されます。編集中に XY 座標を入力すると、これらもマップ単位で指定されます。
マップを異なる複数の座標系で表示しており、XY 座標値を変えたくない場合に、この XY 表示単位の設定が役立ちます。[データ フレーム プロパティ] ダイアログ ボックスでデータ フレームの座標系を変更すると、デフォルトで、[表示] が選択した座標系のマップ単位になります。このオプションを使用して表示単位を上書きすれば、ステータス バーに、常に同じ単位で XY 座標値を表示できます。
- デフォルトのラべリング プロパティを設定します。
デフォルトでは、標準ラベル エンジンを使用して新しい *.mxd が開きます。デフォルトのラベル エンジンを Maplex ラベル エンジンに変更して、ラベリングに別のフォント名とサイズを設定できます。既存の *.mxd のラベル エンジンとフォントは変更されません。新規作成されたプロジェクトのみ変更されます。
レイアウト ビュー オプション
ここでは、ページ レイアウトを操作するためのオプションを有効にできます。
- レイアウト ビューの外観を設定します。
ウィンドウのサイズ変更に表示範囲を合わせることができます。デフォルトでは、ArcMap はウィンドウの表示範囲を変更しません。
水平および垂直ガイドを表示すると、ページ レイアウトに正確にエレメントを配置できます。ガイドはテンプレートに含まれている場合があります。
デフォルトでは、ArcMap はアクティブ データなフレームの周りに破線を表示します。レイアウト ビューで作業している場合、[データの追加]、[全体表示]、[属性検索]、[選択フィーチャにズーム] などのコマンドはアクティブなデータ フレームに対して適用されます。破線はマップ レイアウトの一部ではないため、印刷時にはマップに表示されません。
ただし、印刷時とまったく同じ状態でマップを表示したい場合など、状況によっては、このインジケーターを非表示にする必要が生じます。アクティブなデータ フレーム インジケーターを非表示にした場合でも、コンテンツ ウィンドウを見れば、現在どのデータ フレームがアクティブなのかがわります。コンテンツ ウィンドウでは、アクティブなデータ フレームの名前が常に太字で表示されます。
- ページ レイアウトのルーラーを表示およびカスタマイズします。
ルーラーはデフォルトで表示されます。
- ページ レイアウト内のグリッドを表示およびカスタマイズします。
グリッドはデフォルトでは表示されません。グリッドはテンプレートで事前に設定できます。
- スナップ プロパティを有効にします。
この設定により、凡例や方位記号などのページ レイアウト エレメントをガイド、グリッド、ルーラー、プリンター マージンの一部またはすべてにスナップできます。複数選択した場合、ガイド、グリッド、ルーラー、マージンのリストの順序を変更することによってスナップ優先度を設定できます。リストの上位にあるチェックボックスがオンのエントリは、リストの下位にあるチェックボックスがオンのエントリよりも優先されます。
ルーラーの場合、エレメントはルーラーの最小目盛にスナップされます。
プリンター マージンにスナップするには、[印刷設定] ダイアログ ボックス ([ファイル] > [ページ設定/印刷設定]) の [マップのページ サイズ] で、[プリンターの用紙設定を使用] をオンにする必要があります。そうしない場合、[余白] がオンになっていると、エレメントがページの端にスナップされます。このダイアログ ボックスのチェックボックスを使用して、レイアウト ビューにプリンター マージンを表示するかどうかも指定できます。
この設定は現在のマップ ドキュメント (*.mxd ファイル) に格納され、このマップにのみ適用されます。
メタデータ オプション
ここでは、メタデータ スタイルと更新ルールを設定できます。メタデータ スタイルに従って、必要なメタデータが作成されます。メタデータ スタイルによって、メタデータ、および [説明] タブでメタデータを編集するときに表示されるページの表示方法が制御されます。また、準拠すべきメタデータ規格またはプロファイル、当該規格で有効な XML 形式を定義する XML スキーマ、および ArcGIS から当該形式のスタンドアロン メタデータ XML ファイルへのメタデータのエクスポート方法が識別されます。使用可能なリストからスタイルを選択します。
デフォルトのスタイル [アイテム説明] では、ArcGIS で検索して ArcGIS Online に公開可能なアイテムについての簡単な説明を作成できます。 このメタデータ スタイルは、メタデータへの完全なアクセスを必要としないユーザー、またはメタデータ規格を遵守する必要のない組織に最適です。
[アイテム説明] メタデータ スタイルで表示可能な情報よりも多くの情報を表示したり編集したりする必要がある場合や、メタデータ標準に準拠したメタデータを作成する必要がある場合、アイテムの完全な ArcGIS メタデータにアクセス可能な別のメタデータ スタイルを選択します。
デフォルトでは、メタデータがまだない場合に ArcGIS が自動的にメタデータを作成し、既存のメタデータを更新します。メタデータを表示したときに値が自動的に更新されたメタデータ エレメントは、名前または値の横にアスタリスク (*) が表示されます。メタデータを自動的に作成しない場合でも、[説明] タブでアイテムを編集することによってアイテムのメタデータを作成できます。ただし、メタデータを表示するときにメタデータは更新されません。他の操作を実行した場合、メタデータは自動的に更新されます。
テーブル オプション
このタブには多くのオプションがあり、これらを使用すると、テーブルの属性表示方法をカスタマイズできます。フォント、色、サイズは属性値について変更できるプロパティであり、色とセル サイズはテーブル全体で調整できます。文字を使用してインデックス付きフィールドを示し、ドメインとサブタイプの説明を表示し、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスでテーブルに適用されるフィールド プロパティを設定することができます。また、属性結合を実行する場合のアプリケーション動作を設定できます。
ラスター オプション
ラスター データの表示を変更するオプションをいくつか定義することができます。これにより、手間を省き、ラスター データを一貫して表示することができます。このタブで、ラスター データセット、ラスター カタログ、ラスター レイヤー、モザイク データセットのプロパティを有効にできます。
これらの設定は、すべての ArcGIS Desktop アプリケーションに適用されます。ここで設定を変更すると、すべてのアプリケーションに反映されます。
CAD オプション
ここでは、MicroStation DGN ファイルを認識するためのオプションを有効にします。
MicroStation のデザイン ファイルには任意のファイル拡張子を割り当てることができます。この設定では、この種のファイルが ArcGIS で CAD ドローイングおよび CAD フィーチャ データセットとして認識されるようにすることができます。このサポートは 3 文字のファイル拡張子名のみに適用されます。この設定が有効になっていない場合は、拡張子「*.dgn」のファイルのみが MicroStation デザイン ファイルとして認識されます。
これらの設定は、すべての ArcGIS Desktop アプリケーションに適用されます。ここで設定を変更すると、すべてのアプリケーションに反映されます。
共有オプション
[共有] タブには、公開とパッケージ化のためのオプションがあります。
公開オプションには、公開のステージング パスを変更するオプションと、公開時にドキュメントを自動的に保存するオプションがあります。
ステージング パスは、マップが公開前にステージングされる場所です。ArcCatalog の ArcGIS Server 接続からこのフォルダーを上書きできます。これは、サービス定義のデフォルトのステージング (保存) 場所でもあります。[サービスとして共有] ウィザード内で、個々のサービス定義の場所を上書きできます。
公開プロセスでは、ドキュメントは公開される前に保存されなければなりません。サービス定義を公開およびステージングする前に、ドキュメントを保存するよう求められます。ドキュメントを自動的に保存することを選択すると、サービス定義を公開したり保存したりするたびに、ドキュメントを対話的に保存する必要がなくなります。
キャッシュ サービスを公開する場合、ArcGIS は、推定のキャッシュ サイズが所定のサイズを超えたときに警告メッセージを返します。新しいサイズ値を指定して、警告の閾値を変更できます。警告メッセージを表示しないようにするには、[キャッシュが制限を超えたら警告を表示] をオフにします。
パッケージ化の場合、このタブには、マップ パッケージの作成時に ArcGIS Runtime ツールをサポートするためのオプションがあります。このオプションを有効にすると、[マップ パッケージとして共有] ウィザードに表示されます。パッケージを解凍する場所も選択できます。
表示キャッシュ オプション
表示キャッシュは、ベースマップ レイヤーのデータ、ArcGIS Server のキャッシュされたマップ サービスのタイル分割された画像、その他のインターネット マップ サービスのタイル分割された画像、および ArcGIS グローブ のキャッシュを格納するコンピューター上のローカル ディスク キャッシュです。ArcGIS Desktop は、この表示キャッシュを使用して、ArcMap および ArcGlobe の表示パフォーマンスを管理し、向上させます。ここでは、キャッシュの位置を指定し、既存のキャッシュを消去し、キャッシュのサイズを表示するためのプロパティを有効にします。