ラスターまたはモザイク データセットに使用される関数とは

ラスター関数を使用すれば、1 つ以上のラスターに適用する処理操作を定義できます。これらの関数は、データにアクセスして表示するときに、ラスター データにリアルタイムに適用されます。そのため、ディスク上の処理済みプロダクトを作成するための時間をかけずに、関数を迅速に適用できます。

関数は、次のようなさまざまなラスター (または画像) に適用できます。

• ラスター データセット レイヤー
• モザイク データセット
• モザイク データセット内のラスター
• イメージ サービス レイヤー

関数は関数チェーン内に整理できるため、複数の関数を連結することで、さまざまな処理済みプロダクトを作成することができます。

関数

関数名	説明
反射率	衛星センサーの画像のブライトネス値 (DN) を調整します。
Arg 統計関数	4 つの引数の統計関数 (Arg 最大、Arg 最小、Arg中間、およびデュレーション) を計算します。
算術演算	部分的または完全に空間的に重なり合った 2 つのラスター間、または 1 つのラスターと 1 つ以上の定数値の間で、算術演算を実行します。
傾斜方向	各セルから近傍に向かって下りの傾斜角が最大の方向を特定します。
属性テーブル	シングルバンドのモザイク データセットをシンボル化するのに使用される属性テーブルを定義します。
バンド演算	ラスター データセットのバンドに算術処理を実行します。
二値化関数	ラスターを 2 つのクラスに分割する出力ラスターを作成します。
キャッシュ ラスター	モザイク データセット内のアイテム用の関数チェーンで、追加された場所に事前に処理されたキャッシュ データセットを作成します。
分類関数	ラスター データセットを、Esri 分類器定義 (*.ecd) ファイルとラスター データセット入力に基づいて分類します。 ライセンス: この機能を使用するには、ArcGIS Spatial Analystを有効にする必要があります。
クリップ	一連の範囲に従って、ラスター内の領域を抽出または排除します。
カラー モデル変換	画像のカラー モデルを変換します。たとえば、HSV (Hue、Saturation、Value) から RGB (Red、Green、Blue) に (またはその逆に) 変換します。
カラーマップ	カラーマップに基づいてピクセル値を変換し、ラスター データをグレースケール画像または RGB 画像で表示します。
カラーマップから RGB に変換	カラーマップのあるシングルバンド ラスターを、3 バンド (赤、緑、青) ラスターに変換します。
複素数	複素数値からマグニチュードを計算します。
コンポジット バンド	複数のラスターを統合してマルチバンド ラスターを形成します。
定数	すべてのピクセルに対して 1 つのピクセル値で仮想ラスターを作成します。
コントラストと明るさ	明るさまたはコントラストを変更することにより、ラスター データ (画像) の見栄えを良くします。
畳み込みフィルター	ラスター内のピクセル値に対してフィルタリングを実行します。画像の鮮明化、ぼかし、エッジ検出、その他のカーネル ベースの強調に使用できます。
曲率関数	傾斜の形状または曲率を表示します。曲率は、サーフェスの二次関数を計算することで求められます。
標高穴埋め	標高データ内の穴が存在する領域にピクセルを作成します。
バンド抽出	ラスターからバンドを抽出したり、並べ替えます。
幾何補正	ラスターに付随する変換情報に基づいて画像を幾何補正します。この関数を使用して、センサー定義情報と地形データを基にラスターをオルソ幾何補正することができます。
グレースケール	マルチバンド ラスターをグレースケール ラスターに変換します。
陰影起伏	太陽の相対位置を考慮に入れて地形データの陰影処理を行い、グレースケールで地形を表現します。
アイデンティティ	他に関数が存在しない場合に、モザイク データセット内のすべてのラスターで必要なるデフォルトの関数。
LAS データセット → ラスター	LAS データセットを使用して、管理されている LIDAR データをレンダリングします。 この関数は手動で追加できません。この関数は、LAS データセット ラスター タイプを使用してモザイク データセットにデータが追加されるときに追加されます。
LAS → ラスター	LAS ファイル形式を使用して、保存されている LIDAR データをレンダリングします。 この関数は手動で追加できません。この関数は、LAS ラスター タイプを使用してモザイク データセットにデータが追加されるときに追加されます。
ローカル	ピクセルごとに、ビット演算、条件付き演算、論理演算、算術演算、および統計演算を実行できます。 ライセンス: この機能を使用するには、ArcGIS Spatial Analystを有効にする必要があります。
マスク	ピクセル値の範囲を定義することで、NoData を作成します。範囲外の値はすべて NoData として返されます。
ラスターのマージ	複数のアイテム (行) から属性テーブル内に 1 つのラスター アイテムを作成します。
最尤法分類	シグネチャ ファイルを使用して、教師付き分類画像を作成します。 ライセンス: この機能を使用するには、ArcGIS Spatial Analystを有効にする必要があります。
NDVI	ラスターの赤バンドと近赤外バンドの 2 バンドを使用して、正規化植生指標 (NDVI) を計算します。
パンシャープン	マルチバンド画像を高解像度パンクロマティック画像と融合させることで、空間解像度を向上させます。
Python アダプター	Python コードをカスタム ラスター関数に変換します。
レーダー キャリブレーション	RADARSAT-2 画像のピクセルをレーダーの後方散乱を正しく表すように変換します。
ラスター情報	ラスターのプロパティ (ビット深度など) を変更します。
リキャスト関数	モザイク データセットまたはイメージ サービスで使用されているパラメーターを、保存せずに動的に変更します。
リマップ	ラスター データのピクセル値を変更または再分類できます。
投影変換	ラスター データセット、モザイク データセット、またはモザイク データセット内のラスター アイテムの投影を変更し、必要に応じてリサンプリングします。
リサンプル	セル サイズとリサンプリング方法を変更します。
セグメント平均シフト関数	スペクトル特性が類似している隣接ピクセルをグループ化することで、画像内のフィーチャまたはセグメントを識別します。 ライセンス: この機能を使用するには、ArcGIS Spatial Analystを有効にする必要があります。
カラー陰影起伏	標高モデルとカラー ランプから陰影起伏を生成します。
傾斜角	各 DEM セルにおける標高の変化率を計算します。
スペックル除去	ノイズ モデルを使用して、レーダー画像のスペックルをスムージングまたは除去します。
スペクトル変換	マトリックスを使用しマルチバンド画像の出力スペクトル値を変換します。この関数を使用して、フォルスカラー画像を疑似カラー画像に変換できます。
統計情報	定義されたフォーカル近傍に基づいて、画像の各ピクセルの近傍統計情報を計算します。
統計情報およびヒストグラム関数	ラスターの統計情報とヒストグラムを定義します。処理ウィンドウの最後に追加して、統計情報を出力のレンダリングに使用できるようにする場合に、特に役立ちます。
ストレッチ	明るさ、コントラスト、ガンマなどのストレッチ プロパティを変更し、画像の表示を改善します。
タッセルド キャップ	特定のマルチスペクトルを分類し、植生や農業の調査に役立つ新しいバンドを計算することができる主成分分析です。
テレイン → ラスター	ジオデータベースに格納されたテレインを使用して管理されているマルチポイント データをレンダリングします。 この関数は手動で追加できません。この関数は、テレイン ラスター タイプを使用してモザイク データセットにデータが追加されるときに追加されます。
ビット置換関数	入力ピクセルのビットを取り出し、出力ピクセルでこれらを指定したビットにマッピングします。この関数の目的は、1 組の入力 (Landsat 8 の高品質バンド プロダクトなど) のビットを操作することです。
単位変換関数	ピクセルを別の単位に変換します。距離、速度、および温度の変換がサポートされています。
ベクトル場関数	2 つのラスターを合成して、強度-方向または U-V のいずれかのベクトル場を含む 2 バンド ラスターに変換します。
ベクトル場レンダラー関数	ベクター シンボルを使用してラスターを表示する方法を指定します。一般的に、このレンダラーは気象や海洋学で流れの方向と強度を視覚化するために使用されます。

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