フォーカル統計関数は、定義されたフォーカル近傍に基づいて、イメージのピクセルごとのフォーカル統計を計算します。
この関数の入力は次のとおりです。
- 入力ラスター
- タイプ
- 近傍範囲の設定
- NoData ピクセル値のみ入力
フォーカル統計関数には、次の 4 種類があります。
- 最小値 - 近傍のピクセルの最小値を計算します。
- 最大値 - 近傍のピクセルの最大値を計算します。
- 平均値 - 近傍のピクセルの平均値を計算します。
- 標準偏差 - 近傍のピクセルの標準偏差値を計算します。
[近傍範囲の設定] では、近傍ディメンションとして使用するピクセルの行と列の数を入力できます。
[NoData ピクセル値のみ入力] チェックボックスは、この関数を使用して欠落したラインなどのデータのギャップを埋める場合に使用します。
下の表は、次のイメージに基づいて、2 つの異なる近傍ディメンションを使用したタイプの例を示しています。
タイプ | 3x3 近傍 | 5x5 近傍 |
---|---|---|
最小値 | ||
最大値 | ||
平均値 | ||
標準偏差 |
欠落したラインを埋める
フォーカル統計関数を使用すると、画像内の欠落したラインを埋めることができます。欠落したラインの原因の多くは、データが収集できないセンサーの問題によるものです。これは、Landsat 7 の Enhanced Thematic Mapper Plus (ETM+) などのセンサーで発生します。この欠落したデータが原因となって、解析時および画像の参照時に問題が発生します。解析に画像を使用している場合、対策法はほとんどありません。ただし、重複する画像がある場合は、欠落したコンテンツの代わりに使用することができます。画像をビジュアライゼーションに使用している場合も、同じ方法が使用できます。ただし、欠落したコンテンツを埋めるための画像が常にあるとは限らないため、これを既存のデータから取得する必要があります。
このプロセスには、2 つの関数が必要です。まず、マスク関数を挿入して、欠落したライン ピクセル値を NoData に変換します。たとえば、値が 0 の場合、マスク関数で、[NoData 値] 列の各バンドに 0 を入力します。次に、フォーカル統計関数を挿入します。[平均値] タイプを使用して、近傍に使用する行と列の数を定義し、[NoData ピクセル値のみ入力] をオンにします。