Standard または Advancedのライセンスで利用可能。
パーセル トラバース グリッドを使用してパーセルを入力するときには、いくつかのショートカットとオーバーライドを使用できます。
ショートカット
四分円方位角形式を使用して方位角を入力するときは、必要な文字を入力する代わりに、数字を使用して四分円を指定することができます。この場合、テンキーだけで作業できるため、データ入力処理が高速化されます。次の表に、それぞれの四分円を表すために使用できる数字を示します。
四分円の指定
四分円 | キー ストローク | グリッド列の使用フィールド | 例 |
---|---|---|---|
北東の四分円 (NE) | -1 | Bearing | 45-59-59-1 |
南東の四分円 (SE) | -2 | Bearing | 45-59-59-2 |
南西の四分円 (SW) | -3 | Bearing | 45-59-59-3 |
北西の四分円 (NW) | -4 | Bearing | 45-59-59-4 |
ドロップダウン リスト (正確度、カテゴリ) をクリックしてパラメーターを設定する代わりに、F9 や F10 などのキーボード ショートカットを使用して、ドロップダウン リストのアイテムを切り替えることができます。次の表に、トラバース グリッドでドロップダウン リストを切り替えるために使用できるキーボード ショートカットを示します。
ドロップダウン リスト
ドロップダウン リスト | キーストローク | グリッド列の使用フィールド |
---|---|---|
[Category] 列のオプションを切り替える | F9 キー | Category |
[Accuracy] 列のオプションを切り替える | F10 キー | Accuracy |
オーバーライド
ときにはプラン上の曲線が、1 組の曲線パラメーターだけでは表現できない場合があります。プランに指定したパラメーターとは異なる曲線パラメーターを使用して曲線を入力しなくてはいけない場合もありえます。パーセル トラバース グリッドで現在のプランの曲線パラメーターを表示するには、[プラン] をクリックし、[プラン ディレクトリ] で選択されたプランを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。プランの単位とパラメーターは、[プラン プロパティ] ダイアログ ボックスの [記録形式] タブで設定します。曲線パラメーターを変更する代わりに、トラバース ライン入力グリッドで現在設定されている曲線パラメーターをオーバーライドできます。次の表に、プランの現在の曲線パラメーターをオーバーライドするために使用できる文字を示します。
曲線パラメーターのオーバーライド
オーバーライド内容 | キー ストローク | グリッド列の使用フィールド | 例 |
---|---|---|---|
正接方位角 | tb または TB | Bearing | 20-1tb (四分円方位角を使用) |
半径の方位角 | rb または RB | Bearing | 45-4rb (四分円方位角を使用) |
弦の方位角 | cb または CB | Bearing | 45-4cb (四分円方位角を使用) |
正接の長さ | t または T | Arc Length、Delta、Chord | 25.01t |
弦の長さ | c または C | Arc Length、Delta、Chord | 25.01c |
円弧長 | A または a | Arc Length、Delta、Chord | 25.01a |
デルタ (中心角) | d または D | Arc Length、Chord | 90-59-59d |
パーセル トラバース ライン グリッドで距離単位をオーバーライドできます。新規または既存のパーセルの距離単位は、パーセルのプラン レベルで設定されます。パーセル トラバース グリッドで現在のプランの距離単位を表示するには、[プラン] をクリックし、[プラン ディレクトリ] で選択されたプランを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。プランの単位とパラメーターは、[プランのプロパティ] ダイアログ ボックスの [記録形式] タブで設定します。
距離単位は、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [ライン] タブの [Distance]、[Radius]、および [ArcLength] フィールドでオーバーライドできます。
オーバーライド内容 | キー ストローク | 例 |
---|---|---|
メートル | m または M | 25m |
ミリメートル | mm または MM | 25mm |
センチメートル | cm または CM | 25cm |
キロメートル | km または KM | 25km |
フィート | ft または FT | 25ft |
ヤード | yd または YD | 25yd |
インチ | in または IN | 25in |
マイル | mi または MI | 25mi |
チェーン | ch または CH | 25ch |
リンク | lk または LK | 25lk |
ロッド | rd または RD | 25rd |
サーベイ フィート | ftus または FTUS | 25ftus |
サーベイ ヤード | ydus または YDUS | 25ydus |
サーベイ マイル | mius または MIUS | 25mius |
サーベイ チェーン | chus または CHUS | 25chus |
サーベイ リンク | lkus または LKUS | 25lkus |
サーベイ ロッド | rdus または RDUS | 25rdus |
ローマン マイル | rmi または RMI | 25rmi |
海里 | nm または NM | 25nm |
データ入力
パーセル トラバース グリッドへのデータ入力は、キーボード上のテンキーやこの付近の他のキーを使うと、最適に機能します。例として、次の連続するコースを考えてみましょう。
- N45°59'59'"E、100.00 フィート
- 正接円弧の左半径 50 フィート、弦の長さ 60 フィート
- 出口曲線の正接直線 50 フィート
プランの単位をフィートに設定し、四分円の方位角と度数を分と秒に設定して、曲線エントリを半径と弦に設定すると、キー ストロークは次のようになります。
- 45.5959-1 Enter 100 Enter
- * Enter Delete Enter -50 Enter 60 Enter
- Enter 50 Enter
次の点に注意してください。
- 方位角の四分円を登録するには、ハイフン (-) と四分円の数値を入力します。
- 前のコースへの正接を示すには、アスタリスク (*) を使用します。
- 円形曲線を定義するには、距離フィールド内の値を削除し、Enter キーを押します。
- 左側の曲線に対しては、負の半径の使用についての測量規則が使用されます。
- 方位角フィールドに設定されるデフォルト値は常に出口正接方位角であるため、正接直線で円形曲線を終了する操作は簡単に行えます。
- 曲線が左向きの場合は、半径の前にマイナス記号 (-) を置きます。
ラインのカテゴリ
ライン カテゴリは、パーセル構造を表すために内部的に定義および使用されます。たとえば、境界カテゴリの一連のラインで閉ループを形成すると、パーセルが作成されます。接続カテゴリのラインによる閉ループでは、パーセルは作成されません。ラインのカテゴリはパーセル ファブリック アジャストでも解釈されます。たとえば、間口カテゴリのラインは同一直線上になるように制限できます。
パーセル トラバース グリッドでは、以下のライン カテゴリが使用できます。
- 境界 (ライン カテゴリ 0)
パーセル ファブリックの閉じたループのパーセルまたは閉じていないパーセルの境界に使用します。
ファブリックの最小二乗アジャストでは、境界の正確度カテゴリは、指定されていない限りパーセルの正確度と同じです。パーセルの正確度カテゴリが指定されていない場合は、デフォルトの正確度レベル (4) が使用されます。
- 依存 (ライン カテゴリ 1)
パーセルの境界線に依存するライン (たとえば、地役権を示すライン) に使用します。依存ラインはパーセルの一部ですが、パーセルの境界を定義しません。つまり、依存ラインの閉じたループではパーセルは作成されません。
依存ラインは、必要に応じてファブリックの最小二乗アジャストに関与できます。その場合、依存ラインは境界線と同じ方法で処理されます。
- 精密接続 (ライン カテゴリ 2)
パーセル ポイントをコントロール ポイントに接続するラインに使用します。精密接続線は、始点をパーセル ポイント、終点をコントロール ポイントにする必要があります。コントロール ポイントを始点にする (つまり、向きを逆方向にする) ことはできません。
- ファブリックの最小二乗アジャストでは、精密接続線の正確度カテゴリは、自動的にパーセルの正確度カテゴリより 1 レベル上になります。たとえば、パーセルの正確度カテゴリが 3 である場合、精密接続線の正確度カテゴリは 2 になります。
- 接続 (ライン カテゴリ 3)
パーセル ポイントを接続するラインに使用します。接続線は、パーセル ファブリックに接続性を追加して、ファブリックの最小二乗アジャストで調整可能なネットワークを形成するために使用されます。たとえば、接続線は孤立したパーセルのブロックを接続するために使用されます。接続線は、接続線の接続先となるポイントを共有するパーセルの一部です。接続線はパーセルの境界を定義しません。つまり、接続線の閉じたループではパーセルは作成されません。
ファブリックの最小二乗アジャストでは、接続線の正確度カテゴリは、指定されていない限りパーセルの正確度と同じです。
- 半径 (ライン カテゴリ 4)
曲線の端点から曲線の中心点に向かうラインに使用します。半径ラインは、カーブした境界線で自動的に生成されて維持されます。半径ラインは、パーセルを開いたときにだけ表示されます。
ファブリックの最小二乗アジャストでは、半径ラインの正確度カテゴリは、指定されていない限りパーセルの正確度と同じです。非常に長い半径ラインでは、正確度カテゴリ 7 (除外) の使用を推奨します。これは、曲がりの少ない長いカーブ境界にアジャストすると、カーブの中心点が大きくシフトし、アジャストで半径ラインが外れ値になる可能性があるためです。
- 間口 (ライン カテゴリ 5)
道路または公道に接するパーセルの境界に使用します。新しいパーセルを作成するときに、道路に沿ったパーセル ラインに対して [境界] カテゴリの代わりに [Road Frontage] カテゴリを使用できます。
パーセル ファブリック アジャストでは、間口の正確度カテゴリは、指定されていない限りパーセルの正確度と同じです。間口は、アジャストで同一線上に制限することもできます。
- 原点接続 (ライン カテゴリ 6)
始点をパーセルの開始点に接続するラインに使用します。新しいパーセルを作成するときは、常に原点接続線を最初に入力し、続いてパーセルの残りのトラバース ラインを入力します。
ファブリックの最小二乗アジャストでは、元の接続線の正確度カテゴリは、指定されていない限りパーセルの正確度と同じです。
- パート コネクタ (カテゴリ 7)
マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルのパートまたはリングを接続するラインに使用します。部分接続ラインは、マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルがパーセル ファブリックに移行されたときに、自動的に生成されます。マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルを作成するときに、部分接続ラインを使用して部分またはリングを接続します。
ファブリックの最小二乗アジャストでは、元の部分接続ラインの正確度カテゴリは、指定されていない限りパーセルの正確度と同じです。
180 度を超える曲線
中心角が 180 度を超える曲線を入力するには、プランの曲線パラメーターを [半径と中心角] に設定する必要があります。曲線の中心角は、トラバース グリッドの [Delta] フィールドに入力します。曲線が左向きの場合は、中心角の前にマイナス記号 (-) を置きます。
プランの大半の曲線が異なる曲線パラメーターで機能している場合は、[ArcLength] または [Chord] フィールドをオーバーライドすることによって距離または中心角を入力できます。上述したプランの曲線パラメーターのオーバーライドに関する表をご参照ください。
元に戻す/やり直し操作
[標準] ツールバーの [元に戻す] または [やり直し] をクリックして、パーセル トラバース グリッドへのデータ入力の変更を元に戻すかやり直します。トラバース グリッドのすべてのフィールドの編集、およびトラバース コースの追加を元に戻すかやり直すことができます。
データの再利用
Shift キーを押しながら、作図ツールのマウス ポインターを使用して以前に入力したトラバース ラインをクリックすることによって、入力済みのデータを再利用できます。
上記の 3 つの連続するコースの他に、4 つ目のコースがあるとします。
- N45°59'59'"E、100.00 フィート
- 正接円弧の左半径 50 フィート、弦の長さ 60 フィート
- 出口曲線の正接直線 50 フィート
- S45°59'59"W 100 フィート
このコースは、長さが最初のコースと同じですが、最初のコースに比べて 180 度差の方位角を持ちます。
この 4 つ目のコースを追加するには、方位角フィールド内にフォーカスがあることを確認してください (最後に Enter キーを押してからマウスまたはキー操作を実行していない場合、すでにフォーカスが存在しています)。
- マップ内で Shift キーを押しながら、最初のラインのコースをクリックします。ラインの開始ポイント終端に接近した箇所をクリックすると、最初に入力した方位角に比べて 180 度差の方位角が得られます。次の点に注意してください。
- 最初のラインの方位角はグリッドに自動的に追加されます。
- 距離フィールドがフォーカスを持つようになりました。
- Shift キーを押したまま、同じラインを再度クリックします。最初のラインの距離はグリッドに自動的に追加されます。
トラバース グリッドへのデータの追加
新しいパーセルを作成する場合、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [Cadastral XML の読み込み] をクリックして、Cadastral XML ファイルから [ライン] グリッドにパーセル トラバースを追加します。Cadastral XML の読み込み機能により、1 セットのパーセル トラバース ラインが追加されます。Cadastral XML ファイルで保存される設定済みライン属性も [ライン] グリッドの対応する属性に追加されます。
まず新しいパーセルを作成してから、[Cadastral XML の読み込み] ボタンをクリックしてパーセル トラバース ラインを読み込みます。トラバース ラインとその属性のみが [ライン] グリッドに読み込まれます。[StatedArea]、[Rotation]、[Scale]、および [MiscloseDistance] 属性は例外として、パーセル プラン、テンプレート、[正確度] などの他の属性は読み込まれません。この情報は、新しいパーセルを作成する際に定義する必要があります。[StatedArea]、[Rotation]、[Scale]、および [MiscloseDistance] 属性はパーセル トラバースのものであるため、これらの属性は Cadastral XML ファイルからトラバース ラインを読み込む際に設定されます。
Cadastral XML ファイルから 1 つまたは複数の完全なパーセルを読み込んで結合するには、[パーセル エディター] メニューの [ファイルの追加] をクリックします。
パーセルの閉合差
パーセル境界は、一般的に COGO (方位、距離、半径、円弧長など) ディメンションのそのままの測量計測値で定義されます。多くの場合、これらのディメンションではパーセル ポリゴンが正確に閉じられません。つまり、このディメンションを使ってパーセル境界の周囲を計算すると、開始点の正確な座標に戻りません。パーセルの開始座標と終了座標の差異は、パーセル閉合差と呼ばれ、これがパーセルのディメンションの精度の尺度になります。閉合差が小さいほど、パーセルのディメンションの精度が上がります。大きい閉合差がある場合は、元の測量値かデータ入力に大きな誤りがあることを示しています。
閉合差の比率と閉合差の距離は、パーセル ファブリックのパーセルごとに保存されます。閉合差の距離は、パーセル トラバースの開始座標と終了座標の差異です。閉合差の比率は、閉合差の距離をパーセル トラバースに属するすべてのラインの合計距離で割ってから、その値を逆数で表したものです。閉じたパーセルの場合、閉合差の距離は、周長を定義するラインのレコード値で割ったものです。以下に例を示します。
0.89 (misclose distance) ÷ 2466.05 (perimeter) = 0.00036090
1 ÷ 0.00036090 = 2770.8
Misclose Ratio = 1:2771
パーセルの閉合差の距離と閉合差の比率は、[パーセル] テーブルの [Misclose Distance] 属性と [Misclose Ratio] 属性に保存されます。これらの属性は、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [プロパティ] タブにも表示されます。
パーセルの閉合差の比率が 1:1 〜 1:1500 の場合、エラーがないか確認して評価してください。閉合差の比率が 1:1500 〜 1:100000 の場合は、許容できます。
ループのトラバースを閉じる
ループのトラバースの最後の境界に入ったとき、終点が指定したポイントのマッチ許容値内である場合、終点の境界線は、トラバースの始点に自動的にスナップされます。ポイントのマッチ許容値を指定するには、([パーセル エディター] > [オプション] の順に選択して)[パーセル エディターのオプション] ダイアログ ボックスを開き、[許容値] タブをクリックします。
入力した、最後の境界線のカーブ パラメーターの距離値の後ろにアスタリスクを入力することもできます。アスタリスクは、トラバース グリッドの最後の [To] フィールド内で自動的に始点の番号を配置します。たとえば、最終的に、トラバースの近接値が S42°32'10"E 129.70 フィートである場合、以下のように入力します。
42.3210-2 Enter 129.7* Enter
パーセル ファブリックのパーセル トラバースを調整して閉合を削除することができます。[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [閉合] タブで、使用する調整方法を指定できます。次の 3 種類の閉合調整方法から選択できます。
- コンパス調整
- トランジット調整
- クランダル調整
閉ループのパーセル トラバースを完了したら、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [閉合の表示] ボタンをクリックして、パーセルの編集スケッチにパーセル 閉合をグラフィカルに表示することができます。
[閉合] タブをクリックして、計算によるトラバース ディメンション ([計算値]) と入力されたディメンションを比較することもできます。計算によるディメンションは、指定された閉合方法を使用し、入力されたディメンションに閉合のアジャストを適用することによって計算されます。2 つのディメンションの差は、[残差値] 列に表示されます。
入力されたディメンションが計算によるディメンションによって変更されることはありません。計算によるディメンションには、閉合のアジャストが適用された後に、パーセルのジオメトリが反映されます。
開始および終了座標の割り当て
[閉合] タブで、パーセル トラバースに開始座標を割り当てることができます。閉じていないパーセルを作成する場合は、トラバースに終了座標を割り当てることができます。座標を割り当てるには、マップ上の既存のフィーチャにスナップするか、X、Y 値を入力します。既存のフィーチャにスナップして座標を取得するには、マウス カーソルおよび十字カーソルでボタンをクリックし、マップ上のフィーチャのポイントまたは頂点にスナップします。X、Y 値を入力するには、[編集] ボタンをクリックします。
閉じたループのパーセル トラバースを操作している場合、終了座標のテキスト ボックスと [計算] ボタンは使用できません。終了座標は、指定された開始座標と同じです。開始座標を割り当てたら、[ライン] タブをクリックして、トラバース ディメンションを入力します。トラバースは許容値に基づくか、* を使用して開始座標に閉じられます。
閉じていないパーセル トラバースに開始および終了座標を割り当てるには、[パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [プロパティ] タブにある [Unclosed] 属性の値を [True] に設定します。この属性を true に設定すると、終了座標のテキスト ボックスと [計算] ボタンが使用可能になります。開始および終了座標を割り当てたら、[ライン] タブをクリックして、トラバース ディメンションを入力します。トラバースを終点座標に閉じるには、[計算] をクリックします。トラバースの終点と割り当てた終了座標の間に閉合差がある場合は、指定された閉合方法を使用し、トラバースを通じてアジャストされます。